民泊を運営していくにあたり、絶対に必要になる業務が清掃です。清掃はユーザー評価に直結する部分でもあり、シビアに考えていかなければいけません。
そこで今回は清掃業務内容から、委託する場合に費用相場について解説していきます。
民泊の清掃は収益に直結する
民泊運営において清掃内容の良し悪しは収益に直結する部分です。
新規ユーザーの選択指標は口コミ
新規ユーザーが宿泊する民泊施設を決める際、予算と設備内容に加えて過去利用者の口コミを参考にします。高い口コミ評価を得るためには、宿泊者に想像通り、もしくは想像以上の宿泊体験をして帰ってもらう工夫が必要です。
豪華な施設をコスパよく提供していても、施設の清潔さや消耗品の補充状況などの清掃部分に甘さがあると減点対象となってしまいます。
ホテルと比べられることもあるため、清掃部分はできていて当たり前ということを念頭においておきましょう。
マニュアル化が重要
宿泊施設はいつも清潔なことが求められます。そのため、清掃のクオリティは常に一定以上に保たなければいけません。しかし、常に同じ清掃員をアサインすることはできません。
そのため、清掃工程をマニュアル化し、最終的なチェックリストを用意することが重要です。マニュアルでクオリティの均一化を図りましょう。
また、マニュアル化は清掃時間の短縮=コスト削減=収益の向上にも繋がります。最初は手間がかかりますが、非常に重要なことと捉えて、納得のいくものを作りましょう。
複数の民泊施設を運営している場合は、同じ間取りの施設のマニュアルを流用すると良いでしょう。また、消耗品は同じ商品を使用することで、在庫コストも削減できます。
民泊の主な清掃業務
民泊運営で必要な業務内容は主に下記になります。
- 部屋・廊下の清掃
- 台所・風呂・トイレの清掃(水回りの清掃)
- リネン交換・ベッドメイク
- 消耗品交換・備品チェック
- ゴミ捨て
- 忘れ物対応
部屋・廊下の清掃
宿泊者がもっとも長く滞在する場所になるため、清潔で快適なことが求められます。床がカーペットなのか、フローリングなのかで必要な清掃道具や清掃過程が異なります。
部屋の設計段階で清掃のしやすさ等も加味しておくと良いでしょう。
台所・風呂・トイレの清掃(水回りの清掃)
水回りは宿泊者がもっとも清潔さに敏感になる箇所です。汚れはもちろんのこと、水滴等が残っていることで使用感が出てしまいます。水滴等も乾拭きで拭き取るようにしましょう。
また、洗剤・シャンプー/リンス・トイレットペーパーなどの消耗品の残量も満タンにしておくことで新品同様になります。
リネン交換・ベッドメイク
ベッド周りはもっとも清潔であるべき箇所のひとつです。寝具のシーツ、まくらカバーは清潔に洗濯された新しいもので、シワがない状態でセットします。クッションや枕の配置なども固定位置にセットしましょう。
ゴミ捨て
ゴミ箱は常にチェックし、ゴミがある場合にはゴミ袋ごと交換しましょう。
また、宿泊者が出したゴミは、マンション等に設置されているゴミ置き場へ捨てて家庭ごみとして処理してはいけません。「事業系ごみ」となり、事業者に排出責任があります。
忘れ物対応
チェックアウト後の部屋で宿泊者の忘れ物を発見したら、できるだけ早く持ち主に返す動きをとりましょう。まずは、宿泊者へ連絡し、取り扱いや返送方法について協議しましょう。
返送にかかる送料は宿泊者負担として問題はありませんが、返送前に確認をとりましょう。
民泊清掃の費用
清掃業務を自分で行う場合には所要時間×自分の時給単価が清掃費用と考えられます。清掃を委託する場合にはどのくらいの費用感になるのか見ていきましょう。
清掃代行会社の費用相場
民泊やホテルなどの清掃を専門に行っている業者では、部屋の広さやリネン交換のありなしで費用感が変わります。また、地域によっても差はありますが、下記を相場感の参考にしてください。
| 広さ | リネンなし 相場 |
リネンあり 相場 |
|---|---|---|
| 35㎡以下 | 4,000~7,000円 | 5,000~8,000円 |
| 45㎡以下 | 5,000~8,000円 | 6,000~9,000円 |
| 55㎡以下 | 6,000~9,000円 | 7,000~10,000円 |
清掃費用を安く抑える方法
清掃費用を安く抑えたい場合には、マッチングプラットフォームが有効的です。費用相場としては1時間あたり2,000円~4,000円ほどになります。
プラットフォームでは業者も個人もありクオリティに差が出やすいため、新規依頼の場合は評価や実績を参考にし、最初は作業完了後にダブルチェックを徹底しましょう。
運営を完全委託していても清掃費用は別の場合があり
民泊運営を専門の代行会社に完全委託していると清掃面も安心できます。しかし、清掃部分のみ別料金の場合もあるため、契約内容はしっかり確認しておきましょう。
運営代行費用は売上の20%前後が相場感となっており、その中に清掃費用も含まれるているのであれば、収支計算もしやすくなります。
別計上となる場合には、どのくらいのコスト感になるのか事前に把握しておかなければいかません。
清掃費用は宿泊者負担にできる
ここまで清掃費用について解説してきましたが、宿泊料金を低く設定しているオーナーさんにとっては負担が大きいと感じた方もいるかもしれません。そのような場合には清掃費用を宿泊者負担として設定することも可能です。
例えば、Airbnbでは清掃料金という項目を任意で設定可能です。Airbnbユーザーも宿泊料金の内訳に清掃料金があることは認知しているユーザーも多いため、違和感にはなりません。

