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民泊と民宿はどう違う?法律・許認可・サービス内容の違いを徹底比較

民泊と民宿の違い 民泊・ホテルの運営

民泊と民宿、文字で表すと1文字しか違わない両者ですが、実態としてはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は民泊と民宿の違いを法律や許認可、運営方法などのさまざまな観点から解説していきます。

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民泊と民宿の法律的な違い

民泊とは「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供する」ことを指します。一般的には住宅宿泊事業法(民泊新法)か旅館業法の特例のあたる国家戦略特別区域法の特区民泊に基づいて運営されます。

一方で、民宿は旅館業法の中の簡易宿所営業に基づいて運営されることが多く、旅館業法は「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されています。

民泊でも旅館業法の中の簡易宿所営業に基づいて運営する場合もあります。

住宅宿泊事業法(民泊新法)

民泊サービスの安全面・衛生面の確保や近隣住民とのトラブル回避などを目的に成立した法律です。

住宅で民泊サービスの提供を行っても良い代わりに、年間の営業日数や近隣住民説明を必要とするなど一定の制限があります。

国家戦略特別区域法の特区民泊

特区民泊は、外国人旅行客の滞在に適した施設を政令で定める要件に該当する形で提供する事業のことです。

国家戦略特区の区域として指定された地域でのみでしか事業をできませんが、住宅宿泊事業法(民泊新法)のような年間営業日数制限がありません。

旅館業法の簡易宿所営業

簡易宿所営業は「多数人で共用する構造及び設備」に「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されます。

民宿は民家を宿泊施設として提供しているような場合が多く、これに該当します。

住宅宿泊事業法(民泊新法)・特区民泊・簡易宿所営業の比較

住宅宿泊事業法(民泊新法)・特区民泊・簡易宿所営業の違いをわかりやすいように一覧表でまとめました。

住宅宿泊事業法
(民泊新法)
旅館業法
(簡易宿所)
特区民泊
所管省庁 国土交通省/厚生労働省/観光庁 厚生労働省 内閣府(厚生労働省)
許認可等 届出 許可 認定
住居地域での営業 可能(条例により制限されている場合あり) 不可 可能
営業日数の制限 年間提供日数 180日以内(条例で実施期間の制限が可能) 制限なし 2泊3日以上の滞在が条件
宿泊者名簿の作成・保存義務 あり あり あり
玄関帳場の設置義務 なし なし なし
最低床面積、最低床面積の確保 最低床面積あり(3.3㎡/人) 最低床面積あり 原則25㎡以上/室
衛生措置 換気、除湿、清潔等の措置、定期的な清掃等 換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置 換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置、使用の開始時に清潔な居室の提供
非常用照明等の安全確保の措置義務 あり(家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要) あり あり(6泊7日以上の滞在期間の施設の場合は不要)
消防用設備等の設置 あり(家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要) あり あり
近隣住民とのトラブル防止措置 必要(宿泊者への説明義務、苦情対応の義務) 不要 必要
不在時の管理業者への委託義務 規定あり 規定なし 規定なし
立地規制 なし(住宅扱い) あり 区域計画に定める

参考:https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/index.html

民泊・民宿それぞれのメリット・デメリット

民泊を住宅宿泊事業法(民泊新法)での運営、民宿を旅館業法の簡易宿所営業での運営とすると、一方のメリットが他方のデメリットになるような関係になります。

営業日数の制限

住宅宿泊事業法(民泊新法)では営業日数に年間180日間といった制限があります。もし毎日予約が入るような施設を用意しても、年間で半分の売り上げしか上げることができません。

一方で旅館業法では営業日数制限はなく、365日営業が可能です。そのため、収益の最大化を狙えます。

営業できるエリア

住宅宿泊事業法(民泊新法)「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」などの住専地域を含む12の用途地域で営業が可能なため、開業のしやすさがあります。

一方で旅館業法では、「第一種住居地域」「第二種住居地域」などの合計6つの用途地域でしか営業ができません。

許認可ハードル

住宅宿泊事業法(民泊新法)は届出で営業を開始できます。旅館業法は許可が必要になり、ハードルが上がります。

宿泊者目線での民泊と民宿の違い

民泊と民宿それぞれに特徴があるため、宿泊者はその特徴と予算やニーズに合致する施設を選びましょう。

安さの違い

民泊も民宿も規模やサービスが多岐に渡るため、どちらが安いかを決め切ることは難しいですが、一般的には民泊の方が安い宿を見つけられる可能性が高くなります。

民泊はマンション一室の省スペースからでも提供されており、寝泊まりのみに特化した設備投資の施設も少なくないため、非常に安価な施設を探せます。

民宿は大きな民家で運営されていたり、サービスとして食事や文化体験が付随されていたりすると料金が上がります。

文化体験・地域交流

民泊はマンションの一室でも運営でき、家主不在型の運営スタイルが多いです。民宿は基本的にはオーナーが滞在し、サービスを提供するような形態となっています。

そのため、民泊は寝泊まりするのみの施設となってしまいますが、民宿では現地の人とのコミュニケーションや地域ならではの食や文化に触れることもできます。

たとえば、農業や漁業を本業としている傍ら家を民宿施設として提供している場合は、オーナーが作った野菜や釣った魚を食事で提供してもらえるといったような体験ができます。

もちろん民泊でも家主居住型にして、民宿のようなサービスを提供することは問題ありません。

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